さんの店舗紹介

壷屋田耕集合写真

江戸のお菓子屋からのれん分け

創業当時 店内

壷屋田耕は、先代の社長が東京の老舗「壷屋総本店」で修業を経てのれん分けしていただいたことで誕生したお菓子店です。「壷屋総本店」の歴史は古く、江戸で初めてできたお菓子屋さんであり、将軍家御用達のお店として知られております。 特に最中は定評があり、勝海舟がその最中の大ファンということで親しまれていました。 その老舗の味を受け継ぎ地元大船渡で、昭和39年に創業いたしました。 創業当時は、お店もまだなく自転車に商品を積んで「おまんじゅう」や「がんづき」といったおやつ感覚で食べられるものを中心に売り歩いておりました。

最中は昔から変わらず壷屋総本店と同じ生地の皮を使い、味も受け継ぎながら作っております。他にも様々なお菓子を考案し、現在では、約70種類にもなるお菓子を作っております。

お菓子で人々の支援を

いっぷくもち

2011年3月11日に東日本大震災が発災した時、私たち従業員は、皆、工場とお店の方におり、営業中でした。揺れが収まり従業員の安全を確保してから、その日は従業員を自宅に帰らせました。幸いにもお店まで津波が到達しなかったものの、工場の冷蔵庫が倒れてしまったり、瓦がほとんど剥がれ落ちてしまうなどの被害が建物に及びました。 ライフラインも全て止まってしまい、当然冷蔵庫も稼働できない状態にありましたが、在庫の商品が悪くなる前になんとか有効に使わなければと思い、地元の公民館や小学校の体育館に運び、避難されている方々に配りました。一方、お店の方では無料で配ってしまうと人が押し寄せてしまう事が予想されるため、半額でよければということで販売しました。

その後、ライフラインが回復して営業が再開できるようになったのは、ちょうど1週間後でした。何か甘いものが食べたいという周りからの声がたくさんあったため、まだ材料の確保がままならない中、限られたものでお菓子を作って売りました。従業員も「何か手伝えることがありませんか?」とすぐ駆けつけてくれました。 再開後、店番をしていると「亡くなった息子がしゅーろーるが好きだから仏壇にあげたい」と購入していくお客様がいたり、学生のボランティアが多く買いに来てくれてたりと慌ただしい日々でした。ボランティアの学生たちの気持ちに応えたく、買ってくれたお菓子を川岸で食べているところに差し入れを持って行ってあげたこともありました。そうこうしているうちに震災から1か月経ち、材料も徐々に安定するようになったので、地元のスーパーで「いっぷくもち」を無償で配りました。 震災直後にお菓子屋が出来ることはお菓子を食べさせてあげることしかできないので、「お菓子で支援出来たら」という想いで行動しました。

家族みんなで分けれるお菓子を

しゅーろーる作業 スイーツグランプリトロフィー

当店では、冠婚葬祭というとゆべし、ようかん、がんづきといった昔ながらのお菓子が定番でした。婚礼になると若者が買いに来るようになってきたので、若者向けの新商品を作ろうと考えました。 試行錯誤の結果、ふんわり包み込むという優しいイメージを持っていて人との輪もイメージしやすいという理由からロールケーキにたどりつきました。 また、家族でロールケーキを食べる時に「今からケーキ切るよー」と声をかけると家族が集まって、「こっちの方が大きい」とか「こっちの方は小さい」と一家だんらんで分け合えるようなお菓子としてもロールケーキは適していると考えていました。

洋菓子は全くわからなかったので、平成9年に東京に修業に行き、その2年後に商品のパッケージを完成させ「しゅーろーる」という商品名で本格的に販売するようになりました。 大船渡で開催された第一回大船渡スイーツグランプリに参加した際は、しゅーろーるで優勝することができました。それから県内のテレビや新聞で取り上げていただき、話題となったことで、沿岸だけでなく内陸の方からもお客さまが買い付けに来ていただける様になり、大変有り難く感じております。 今ではお店の定番商品となり、入学式や卒業式にはお母さん世代の方が贈り物として買っていくようになりました。

お客様の思い出に残る商品

店舗外観

2014年6月、壺屋田耕は店構えを一新しました。スタッフ一同今まで以上にお客様との対面販売に力を入れていきたいと思っております。お菓子というのは、人生の節目節目で使われますので、人が生まれてから亡くなるまで何か思い出があるたびにお菓子というものがついてまわると思います。その時に当店のお菓子が色を添えられるように作っていけたらと思っています。 お菓子のブランド価値をもっと高めていって、「あの時、壷屋田耕のお菓子食べたよねー」なんて思い出していただけるような良いお菓子作りをこれからも続けていきたいです。